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インシデントレポートの作成・管理を支援するソフトウエア CLIP

分析手法ImSAFER(アイエム セーファー)とは

「ImSAFER」は株式会社安全推進研究所 代表取締役所長 河野 龍太郎氏が医療向けに開発した分析手法です。

SAFERとは、「Systematic Approach For Error Reduction」の略で、ヒューマンファクター工学に基づき、医療現場で発生するインシデント・アクシデント事象を効果的に分析することを目的に開発された体系的なヒューマンエラー分析思考手順です。
これまでにいろいろな分析手法がたくさん開発されており、それぞれの分析手法には開発目的に応じた特徴があります。

一般に、分析の深さと分析にかかる手間や時間の間にはトレードオフがあり、分析が深くなるほど手間と時間がかかり、処理できる事象の数が少なくなる一方、分析を浅くすると、手間と時間は少なくなり、いろいろな事象を数多く処理できるようになります。どの程度深く分析するかは、分析に費やすことのできるリソース(時間や人、予算など)と目的に依存します。前述の開発されている分析手法には、

  • J-HPES(Japanese version of Human Performance Enhancement System)
  • VA-RCA(米国退役軍人省の患者安全センターで開発されたツール・手法)

などがあげられますが、少し手間がかかるのとある程度の専門知識を必要とするので、現場の人自身が利用するには少し難しいと思われます。そのような点を踏まえ開発された「ImSAFER」は現場の人が比較的手軽に分析できることを目的に、以下の7つの手順にて構成されています。

手順1:事象の整理 起こった事(事象)を整理し、何がどのように起こったかという事実を把握する
手順2:問題点の抽出 事象をよく理解して含まれている問題点を抽出する
手順3:背後要因の探索 なぜ、そのような問題が起きたのかという背後要因を探す
手順4:考えられる対策案の列挙 問題点やその背後要因をなくすための対策を考える
手順5:実施する対策の決定 実行可能性を基に対策案を評価し、実施する対策を選ぶ
手順6:対策の実施 誰が、いつまでに、どのようにして実施するかを決め、的確に実施されたかどうかを確認する
手順7:実施した対策の効果の評価 実施した対策に効果があったのか、あるいは新たな問題点はないかなどを評価する

下記のファイルは、あるインシデント事象にImSAFER(アイエム セーファー)を適用して作成したサンプルファイルです。

  • 時系列事象関連図
    「手順1:事象の整理」「手順2:問題点の抽出」で使用します。
  • 背後要因関連図
    「手順3:背後要因の探索」「手順4:考えられる対策案の列挙」「手順5:実施する対策の決定」で使用します。
  • 対策決定資料
    「手順6:対策の実施」で使用します。

※サンプルデータは下記のリンクからダウンロードできます。

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ImSAFER(アイエム セーファー)をご理解いただくために

ヒューマンエラー防止手法セミナーを開催しております

このセミナーでは、ImSAFER(アイエム セーファー)を使ってどのようにインシデント事例を分析し、対策立案するかを実習で体験していただきます。

[講師紹介] 株式会社安全推進研究所 代表取締役所長 河野 龍太郎

講師写真

<経歴>
防衛大学校(航空要員、電気工学)卒業。航空局東京航空交通管制部で12年間、航空管制官として勤務。その管制業務中に航空機を衝突コースに誘導するというエラーを経験し、エラー防止を目的に心理学を専攻。その後、東京電力(株)技術開発本部で原子力発電プラントのヒューマンファクターの研究に従事。偶然、ある医療事故の関係者と出会い、医療が安全に関して極めて問題の多いことに驚き、医療安全の問題に本格的に取組むため、2007年に自治医科大学医学部メディカルシミュレーションセンターに勤務(センター長、医療安全学教授)。2018年3月に退職し4月から現職。また、2015年から2019年3月まで学校法人東京女子医科大学理事長特別補佐(医療安全・危機管理担当)。一貫して航空、原子力、医療、交通、製造システムなどのリスク管理および事故におけるヒューマンファクターの問題を研究している。ヒューマンファクター工学をベースにした体系的なヒューマンエラー事象分析手法ImSAFER™や対策立案の方法を提案している。日本心理学会、日本人間工学会、医療の質・安全学会などの会員。博士(心理学)、日本人間工学認定人間工学専門家。

  • 著書:医療におけるヒューマンエラー、医学書院、2004,2014
  • 編集・著:医療安全への終わりなき挑戦、エルゼビア・ジャパン、2005.
  • 編集・著:実務入門 ヒューマンエラーを防ぐ技術、日本能率協会マネジメントセンター、2006.
関連情報
株式会社安全推進研究所
河野氏主催 ImSAFER研究会

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