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インシデントレポートの作成・管理を支援するソフトウエア CLIP

導入事例 自治医科大学附属病院様

患者の信頼に応えられる優秀な医師、医療技術陣、医療施設

自治医科大学附属病院(以下、附属病院)は、昭和49(1974)年に開院し、地域医療確保の先駆的な役割を担うとともに、本学の教育理念を実践に移す場として、高度の医療施設及び設備を整えています。

病床数1,132床、診療科43科を開設しており、優秀な医師、医療技術陣と医療施設の設備があいまって、充実した臨床教育の場を形成することはもとより、患者の信頼に応えられるよう、きめ細かな配慮を行うなど医療内容の一層の充実に努めています。

また、施設及び設備のリニューアルが進められており、大学病院としての機能の充実や、高度化、多様化する医療ニーズに対応していくために患者アメニティに配慮するなど、21世紀に相応しい医療を提供できる病院づくりを目指しています。

病院内での安全文化醸成のため、事故が発生しにくい環境の構築をめざして!

附属病院では、院内で発生する医療安全上の諸問題について組織横断的に対応するため、平成15年に病院長直轄組織として、現在の医療安全管理部の前身となる医療安全対策室を設置した。

医療安全対策部
部長 医師(呼吸器外科)
長谷川 剛 氏

医療安全対策部は、附属病院全職員が安全で質の高い医療を提供することで、患者にとって信頼のできる病院となるような環境作りを目指しており、院内で発生したインシデントやアクシデントを報告する制度の整備が医療安全文化を醸成するためには必要と考え、インシデントレポートの作成から集計、管理、報告まで一貫してできるインシデント報告分析支援システム「ePower/CLIP」の導入を決めた。「ePower/CLIPは、インシデントレポートを集計した後に ImSAFER (アイエムセイファー)の分析を行うことができ、ImSAFER の開発者である河野氏が自治医科大学に勤務していることから、医療安全にうまく、展開できれば面白いと思った。」(長谷川氏)と当時の印象を語る。

導入する以前は、紙や個別のシステムでインシデントレポートを集めており、集計に時間が掛っていたが、今では、忙しい業務の中でも簡単に短時間で報告できるようになり、医療におけるインシデント、アクシデント、未然防止について、システムで的確に管理することができるようになった。

「ePower/CLIP」は電子カルテが導入されているパソコン全てに導入され、院内では、「J-CLIP」(自治医科大学附属病院の頭文字J+CLIP)呼ばれ、職員一人ひとりの医療安全に対する意識も高まり、非常に良い環境になってきているという。

インシデントレポートの集計や管理業務が効率化

医療安全対策部
医療安全専従管理者(看護師長)
竹野井 さとみ 氏

J-CLIPを導入してから6年経つが、年間6,000件弱のインシデントレポートが医療安全対策部にあがってくるようになり、導入以前の5倍の報告件数となっている。専従管理者である看護師長の竹野井氏と野澤氏は、インシデントレポートを元にして、改善に力を注ぐ日々を送っており、「現場は入力が簡易的になったことで、自分達が望む以上のことを入力してくれるようになった」「報告件数が増加した」「集計やグラフ化が自動的に出来るので、システム化の便利さを身に染みて感じている」等、効率化が図られていると、口を揃える。また、「システム化の促進と共に、院内も医療安全の意識が高まり、職員一人ひとりが意識してくれるような風潮となった」(野澤氏)という。

専従管理者は、毎朝、J-CLIPで現場からの報告を確認し、ヒアリングしながらレベル付けを行い、週1回の会議で集計した結果や対応策について報告を行う。今では、医療安全対策部にとって、J-CLIPはインシデントレポートを作成・集計・管理・報告する上で、なくてはならない中核を担うものとなっている。

導入時に期待していたImSAFERの分析については、「分析までしないといけないレポートは少ないが、事象を客観的にとらえ、業務内容を整理するため、やや教育的な意味合いで使用している。」(長谷川氏)という。分析は、報告の中から、部内で、時系列で順序立てて確認した方がよいと考える重要な事象に絞り込み、現場で詳細な分析作業を行う。J-CLIPは、その分析の場面においても、議論を有効に進めるための情報源(登場人物や時間等)に用いられている。

また、J-CLIPで蓄積されたデータはシステムからすぐに情報を取り出せるため、院内外を問わず、教育関連や各部署での分析、検討会等、様々な場所の安全対策に活用されている。

最も先進的で安全に配慮している病院として、職員のさらなる医療安全意識の向上を目指す!

医療安全対策部
医療安全専従管理者(看護師長)
野澤 博子 氏

J- CLIPには、インシデント以外にも、 「気づき、カモシレ」(※カモシレ:かもしれない)を報告することができる。週1、2件程度の報告ではあるが、この気づきの報告がインシデント発生の未然防止に繋がるため、院内の目安箱の役割を担っている。「安全とは直接関係しないかもしれないが、このような、きちんと伝えられるルートがあるというのは、ある種の健全さを維持するのに役立っている。」(長谷川氏)という。

また、「今後は"0レベル"(※間違ったことが患者に実施される前に気づいた)の報告を積極的に啓蒙していきたい。」(竹野井氏)という。そのため、研修・教育での意識付けと、各部署のレベル底上げが、専従管理者としての使命という。

職員一人ひとりの小さな気づきが院内の改善に役立っており、最も先進的で安全に配慮している病院として、他の病院のモデルとなってる。

[ImSAFER分析手法]
自治医科大学 医学部医療安全学 教授 メディカルシミュレーションセンター センター長 河野 龍太郎 氏

ImSAFERは、河野氏が医療向けに開発したヒューマンエラー事象分析手法です。何が起こったのか、 どのように起こったのか、そして、なぜそれが起こったのか、その背景や要因を明らかにします。二度と同じ事故が発生しないように、限られた時間で効果的な事故分析を行い、具体的で有効な対策を導き出すことが目的です。そのためには、「事故の構造やヒューマンエラーについて正しく理解することが何より重要」と河野氏は語る。

外観

自治医科大学附属病院

http://www.jichi.ac.jp/hospital/top/

所在地:栃木県下野市薬師寺3311-1
開 院:1974年1月17日
病床数:1,132床 ※
職員数:2,528人(平成26年4月1日現在)※
※出典:自治医科大学附属病院ホームページ 病院のご案内

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