導入事例
グループ社員1万8,000人が活用するeTransporter 大容量ファイル転送基盤の構築と脱PPAPを実現!
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 様
-
業種 情報・通信業
-
住所 東京都港区虎ノ門4-1-1 神谷町トラストタワー
-
設立 1979 年7月11日 (創立 1972 年4月1日)
-
資本金 21,763 百万円
教えて!eTransporterを選んだポイントは?
脱PPAPに悩みを持つ顧客の解決策としても提供を開始!
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)は、老朽化した大容量ファイル用送受信システムの更新と、脱PPAP に向け、大容量ファイル転送システム「eTransporter」を採用。eTransporter 販売代理店でグループ会社のCTC システムマネジメント株式会社(以下、CTCS)がSaaS 化し、グループ全社に向けてサービス基盤を構築した。その結果、社内アンケートで高評価を受けるとともに、一定の効果を確認できたことからeTransporterをポートフォリオ化。自社が脱PPAPを目指しながら有効な代替手段が見出せてないお客様への提案に役立てている。
老朽化したファイル送受信システムの更新と脱PPAP
CTCは1972年に創立以降、ITの発展とともに先進の技術やソリューションを組み合わせたオールマイティなシステム構築力を磨いてきた。
一方、CTCのグループ企業であるCTCSは、構築の他「運用」をメインに、ハード・ソフトを問わず豊富な運用実績と卓越したスキルでシステムの安定稼働を支援する。
この両社が中心となって取り組んだのが、CTCグループ内外とのファイル受け渡しを安全かつ効率的に行うようにする環境改善プロジェクトだった。プロジェクト発足のきっかけについて、CTC情報システム室 ITインフラシステム部 インフラシステム課 課長 浅沼 宏紀氏は大きく2つの課題があったと説明する。「1つは、長年活用してきた大容量ファイル向けの送受信システムの老朽化です。社内で過去より利用していたこのシステムには使い勝手の悪さや改修が必要な挙動問題、セキュリティの脆弱性などがあり、速やかに更新する必要がありました。2つ目の課題は、脱PPAPに向けた新たなファイル送受信の方法を探すことでした」(浅沼氏)
CTCグループでは、社内外の相手とファイルを受け渡しする際に、必ず暗号化したZIPファイルをメールに添付して送信した後暗号解凍用パスワードを別メールで送信する、いわゆる「PPAP」を行うことがルールとされていた。しかし、2020年頃からセキュリティへの効果が疑問視されるとともに、万が一ファイルがマルウェア等の不正ファイルだった場合、ZIPファイルを解凍するまで検疫できないというリスクが指摘されていた。「弊社では、パスワードなどをかけずに自由にメールに添付して送受信できる世界を目指しております。しかし、現段階ではまだセキュリティ上の問題が解決していないため、その過渡期として、ファイルの受け渡しにアクセス制限をかける方法を取り入れる必要がありました」と浅沼氏は打ち明ける。
ユーザーが手間をかけることなく安全に脱PPAPを実現する手段
これまで利用していたファイル送受信システム及びPPAPの代替策の選定においては、複数のソリューションを比較検討していった。「弊社はクラウド型ストレージサービスも提供しており、それも有力候補にしていたのですが、クラウドを経由してデータやファイルを授受することに抵抗を感じるお客様も多くいらっしゃいます。そのため、システムの運用と提供を支援するCTCSと相談しながら、お客様にも安心いただける脱PPAPに向けた最適なシステムを模索していきました」と述べるのは、CTC 情報システムグループ 情報システム室 ITインフラシステム部 インフラシステム課 佐橋 泰則氏だ。
そのCTCの要求に応えるべく、ある製品に注目したと話すのは、CTCS DX・開発サービス本部 インフラ技術サービス部 プロフェッショナルエンジニア 杉本 亮介氏だ。「当時、お客様向け商材として、また脱PPAPプロジェクトが開始されたことにより、NSDから提案されたのが、大容量ファイル転送システムのeTransporterでした」(杉本氏)
eTransporterに注目したポイントは主に3つあったという。1つ目はオンプレミスでの導入が可能なこと。CTCでは社内システムのクラウド化が急速に進んでいる。CTCSがeTransporterをオンプレミス型で導入し、それをSaaS化して提供することで、グループ各社のクラウドシフトにも貢献できると考えた。また、大容量に対応していることも優位点だったと杉本氏は指摘する。「一般のクラウド型ストレージサービスは利用容量に上限があり、CTCグループ全体のキャパシティに対応するためにはコスト負担も大きくなります。eTransporterは大規模ユーザーでの利用に対応できるという点でもアドバンテージがありました」(杉本氏)
2つ目は、ユーザーの負担が少ないこと。佐橋氏は、「従来通りメールにファイルを添付して送信するだけで、eTransporter側でメール本文と添付ファイルを自動で分離してくれます。また、ダウンロードURLやダウンロードパスワードなどもメールで自動送信してくれるので、ユーザーが手間をかけることなく安全に脱PPAPが実現できると考えました」と話す。
3つ目は、コストパフォーマンスが優れていること。サーバー課金で利用できるので、ユーザー数が増えてもコスト負担は増加しない。杉本氏は「CTCグループ向けにSaaS化するためには、容量課金やユーザー課金では費用が変動するため難しい面がありました。サーバー課金なら一定のコストで利用できるので提供しやすいと考えました」と語る。
社員による「社内システムアンケート」でeTransporter が高評価
2022年2月、CTCとCTCSはeTransporter導入を正式に決定。まずはCTCの情報システム室内でトライアルを行い、次にグループ内でメールを多用する500人をピックアップして試験運用を実施した。構築と各種設定を担当したCTCS・DX・開発サービス本部 インフラ技術サービス部 エキスパート 佐藤 光央氏は、「eTransporterのSaaS化においては、SAML認証、データベース構成の冗長化、暗号化実現などが重要なポイントでした。また、転送速度などのパフォーマンスチューニングや、負荷分散しながら製品のスループットを向上する設定の検討も行いました」と振り返る。
そして2022年5月末から、CTCグループ全体でeTransporterの本番運用を開始した。現在は約1万8,000人が利用し、1日あたり約1万3,000件のメールに添付されたファイルを安全に送受信するなど、日常業務に定着する形となっている。
CTC 情報システム室 ITインフラシステム部 インフラシステム課 外堀 宏臣氏は、「毎年、グループ内で活用している主要なシステムを社員が評価する『社内システムアンケート』を実施しており、2022年の結果はeTransporterが高評価を受けました。グループ社員から好意的に受け入れられ、導入を主導した私達も選択が正しかったと非常に満足しています。来年以降も高評価を受けられるよう、必要に応じてカスタマイズも行いながら安定運用を目指します」と話す。
一方で、CTCSとしてはeTransporterを新たなポートフォリオに加えることができたことが大きな成果だと杉本氏は強調する。「CTCグループの1万8,000人に提供し、一定の効果を確認できたことから、eTransporterを多くのお客様にもお使いいただきたいという思いが強まりました。現在は脱PPAPを目指しながら有効な代替手段が見出せていないお客様に提案し、順調にご利用企業数を増やしています」(杉本氏)
他システムとの親和性が高いeTransporter はセキュリティ製品との連携も効果的
また、CTCSではMicrosoft 365の導入サービスも提供しているので、今後はそれと組み合わせることで、大規模なファイル共有を容易かつ安全に実現するソリューションとして多くのお客様に提案していく考えだ。
そして、浅沼氏は、今回のプロジェクトについて、これまでいくつもの業務改革を実践してきた中で、問題なく成功したプロジェクトのひとつになったと高く評価する。「eTransporterは他のシステムとの連携もしやすく設計されているので、今後はセキュリティ製品との連携も効果的だと考えています。これからもCTCSと弊社へのNSD社サポートに強く期待しています」(浅沼氏)
ファイル転送基盤の再構築で脱PPAPに成功したCTCグループ。様々な改善要望が出てくる来年以降が運用の本番を迎える。
Case Studyその他の導入事例
Contact Usご相談窓口・資料ダウンロード
「どんな特徴があるのかもっと詳しく知りたい」「トータルの費用が知りたい」「他社サービスと比較したい」など、お困り事をなんでもご相談ください。
電話でのご相談