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2022.12.01

倉庫作業の効率化は的確な位置情報の把握から

倉庫作業の効率化は的確な位置情報の把握から

製造業や工場ではノンコア業務となる倉庫作業での効率化は必須のテーマです。 作業者が真面目に製品を運搬しても、作業プロセス自体の非効率でムダが生じることも珍しくありません。
倉庫作業を効率化するには、作業プロセス全体の現状を把握し、作業者や製品、台車などの位置情報をリアルタイムかつ正確につかんで指示を出すことが大切です。

本コラムでは、倉庫作業の現状を把握するには作業者の位置情報が重要であるということ、また、実施するためにはシステムの導入が欠かせないことを解説していきます。

倉庫内作業者の現状を把握する

倉庫内作業は部署によって、作業時間、作業内容などが異なり、その効率は作業者の能力に大きく依存しているものです。 管理監督者にとって倉庫内作業は現状がわかりにくく、作業に様々なムダが発生している可能性があります。

倉庫作業は搬入や出荷に直接関連しますから、ムダが多いと工場内生産ラインや納品先の顧客にも影響が出てしまいます。 とはいえ、倉庫内作業の改善に部署内だけで取り組むには大きな労力がかかりますので、実施にあたっては効率の良い進め方をする必要があります。
まずは具体的にどんな課題があるかみていきましょう。

作業者同士で棚の積み上げ(下ろし)作業が重複する

倉庫内では、誰がどこで何をしているのか、リアルタイムな情報共有ができていないため、棚の積み上げ(下ろし)の作業を複数の作業者が同時に行ってしまうこともあるでしょう。 そのため、人による荷物の同時持ち出しという作業のムダが生じます。

倉庫作業が重複するということは、一方の作業者によるムダな待機時間も発生します。 さらに、倉庫内では人が密集すると作業がやりにくいので無理な姿勢を取り続けたり、無理やり荷物を積み込んだりといったことを行いがちで、労働災害につながる恐れもあります。

また、他の作業者と重複しないために、一方の作業者が倉庫内の他の棚へ移動しようとする場合、本来の移動距離から追加でムダな移動時間が発生してしまいます。

作業者ごとに担当エリアの滞在時間が異なる

作業エリアによっては、作業量や作業者にかかる負荷が異なる場合があります。
ここで、作業の担当割り当てをバランスよく行わないと、負荷の高い作業への割り当てが一人の人に集中してしまうこともあります。
一方、難易度が高い作業エリアに経験の浅い作業者を割り当ててしまうと、そこでミスや遅延が発生し、他の工程にまで影響が出てしまうこともあります。

これでは倉庫内作業にムラが生じ、作業者間の不満が募ってモチベーションが低下する恐れもあるでしょう。

一度運んだエリアに再度運ばなければならず往復時間にムダが生じている

倉庫の搬入作業者は工場現場内に適切な部材を運搬しますが、生産ラインの進捗管理ができていないと生産ラインへの部材投入が適切に行えません。 必要な部材が適切なタイミングで提供されないと、生産ラインが止まる恐れもあります。

部材が足りないとなると、慌てて倉庫から一度運んだエリアに再度運搬しなければならず、往復時間のムダが発生してしまいます。 往復時間にムダが発生しないように、適切な部材を時間通りに運搬できるよう、部材の運搬作業と生産ラインのタイミングを同期する仕組みが必要です。

作業者が忙しくて改善する意識が育たない

倉庫内作業者が目の前の作業で手一杯になると、作業内容の改善にまで意識が向かなくなります。 さらに、改善に費やす時間もないため、非効率な作業内容が変わらずに漫然と続いてしまう要因になっています。

いくら管理監督者が工場内でQCサークルや改善活動に取り組んでも、肝心の倉庫内作業者の意識が変わらなければ「やらされてる感」が強くて本質的な改善につながりません。

倉庫作業者の位置情報をつかむことで改善につながる

作業者の位置情報など倉庫内の作業状況をリアルタイムで把握できれば、倉庫内作業の改善が大きく前進します。倉庫内の現状を改善するにはまず作業者の位置情報を把握するのが大事です。 倉庫作業者の位置情報が分かればどのような改善が可能なのかみていきましょう。

作業者の位置を把握して積み荷作業で混雑させない

システムによって作業者の位置情報が把握できれば、手間や時間のかかる積み荷作業について、人員を重複させることなく適切な人員で行えます。 倉庫内の積み荷作業にかかる余剰人員のみならず、積み荷作業に使用するフォークリフトなどの使用機材も効率よく運用でき、ムダな待機時間も削減できます。

作業時間を自動記録して滞在時間が長くなりそうなエリアを把握

位置情報だけでなく、倉庫内作業時間を自動記録すれば、滞在時間が長くなりそうなエリアを把握することができます。 どのエリアが一番長い作業時間なのか分かれば、「人員を多く配置」、「エリアの配置(レイアウト)を工夫」、「新たな機材を導入」などの改善が可能となるでしょう。

ムダを省いて効率的な作業ができるようになるので、全体的な倉庫内の作業時間削減につながります。

行動記録や作業記録から作業者自身の改善意識を育てる

倉庫内の位置情報を把握することで、行動記録や作業記録から実際の作業内容を第三者にも可視化できると、より良い作業の仕方について情報が共有しやくなります。 管理監督者だけが情報を確認するのではなく、作業者にも情報を共有し、実際の行動記録をみながら作業の振り返りを行えるようにしましょう。倉庫作業における現場の生の声が挙がりやすく、意見を直接反映させることができます。

また、これまでよりも作業がしやすくなるのを実感できるので、倉庫内作業者全員に改善意識を持ってもらうこともできます。

倉庫作業者のリアルタイムな位置情報にベストな測定方法3選

倉庫作業者のリアルタイムな位置情報を測定するには、いくつかの方法があります。 手間や費用などを考慮すると、システム導入が一番効果的です。システム導入の具体的なメリットとベストな測定法3選をご紹介しましょう。

位置情報を把握するシステム導入のメリット

倉庫内の位置情報を把握するために従来は人の手で記録していました。 まず測定する人員が必要ですので、人件費がかかりますし、人から聞き取るにも時間がかかります。また、収集した情報を整理し、分析するにも膨大な時間と費用がかかります。

このように費用や手間がかかる取り組みを継続するのは難しいものです。そこで、倉庫作業者の位置情報システムを導入すれば、情報収集、情報整理、定型的な分析までをシステムが自動的に行うので、人員は必要最小限で済みます。 また、システム導入後は継続して活用できるので、人の手で行うより全体的な手間やコストを圧倒的に削減できるメリットがあります。

さらに、倉庫内運搬だけでなく、現場の生産ラインの進捗とリンクさせれば必要な時間に必要な部材を投入することが可能なので、一度運んだ部材をまた運ぶといった往復時間のムダが省けます。

ビーコン測定

ビーコンは発信機からの信号をモバイル端末などが受信し、位置情報や距離情報、個体識別情報を取得する設備を使って測定します。Bluetoothを使うBLE(ブルートゥース・ロー・エナジー)の手法が主流です。 位置情報を把握するのに、比較的安価で少ない消費電力で対応デバイスを小型化できるのがメリットです。

ただ、ビーコンは受信できる範囲が狭く、ビーコン同士の間隔が狭かったり、倉庫内のレイアウトが入り組んでいたりすると、受信できずに誤差が生じることもあります。

WIFI測定

作業者が発信する位置情報などをWIFI(無線LANアクセスポイント)で測定します。 使用する端末や機器も汎用品が使えるため、比較的安価で測定できるのがメリットです。倉庫内でWIFIが届かないエリアでは使えないこともあります。

RFID測定

RFIDは、「ICタグ」とそのタグを読み取る「読み取り装置(RFIDリーダー)」の間で磁界を発生させて、非接触で情報をやりとりします。 通信でデータがやりとりできる電子タグですので、従来使われていたバーコードと違い、一度にたくさんの情報をやりとりできます。

ただ、倉庫内作業者の位置測位に利用する場合は、読み取り装置の設置に電源が必要であったり、設置台数が増えるとコストが上がるといったデメリットがあります。

 

まとめ:倉庫作業の効率化を図るには的確な位置情報を把握する

ここまで倉庫作業の効率化を図るための課題とその課題を改善するための位置情報システム導入について解説しました。 倉庫作業の効率化を図るのは、製造業や物流企業にとっては喫緊の課題です。そのためには作業者の位置情報を正確に把握するのが一番大切といえます。

倉庫内作業者の位置情報を把握することで、作業者の労力が削減され、多くの企業が抱える人材不足の改善につながります。倉庫内作業者の位置情報を正確に把握するためには、継続で活用できる位置情報管理システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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